名古屋放浪日記(笹島とあぶり手帳編)

自伝的小説

この物語は主人公が名古屋市の日雇いや派遣会社での仕事を、
転々としながらその日暮らしの生活を描いている自伝的小説です。



あぶり手帳と日雇い労働者。







名古屋市に日雇いの街がある。


セイブン
セイブン

名古屋市の中心地にある。
東京なら高田の馬場であり、大阪なら西成であろうか。





西成の方はよくは知らないが、
高田馬場で日払い労働者として働いた事がある。

東京近郊の大きなタンクの中を掃除をした事を思い出す。

思うに、、、
いつの時代も日雇い労働者は単純作業が多いと思える。
稀に専門的なことも平気で要求されるが「ガン無視である
車の運転は重宝されるので頼まれたらやることにしている。



さやこ
さやこ

笹島は名古屋駅を降りたら大きな交差点があるので分かりやすいよね。




近くにマクドナルドがあり7時ころになると、
近くのビル群で働くサラリーマンやOLなどで賑わっている。




セイブン
セイブン

日雇い労働者の朝は早いよね。




ご多分に洩れずに、
この物語の主人公の彼も、
笹島に仕事を探しに出かけた事が何度とある。

大概にギャンブルで負けて金が無い時に渋々と出かける。
笹島交差点の周りでは、
人夫を待っている業者や働き口を探す人夫が擦れ違う。

セイブン
セイブン

一時期は「闇手帳」
通称あぶれ手帳が流行った時には人ざかりで賑わっていた






さやこ
さやこ

闇手帳は何年前かに摘発されて今は無いと思うね?

セイブン
セイブン

私もあぶれ手帳を持っていたよ。

さやこ
さやこ

へ~あぶれ手帳てハッキリ分からないけど?

具体的に説明して。





ひと月に13日働いて残りの日数働かなくても、
職安に行けば仕事に溢れた分、日当が支給されるシステムで、
働いた証拠のように手帳に印紙を13日分貼ってもらう。



セイブン
セイブン

13日働いて印紙を貰うのは難儀なことでもあった。





今は時効であるが?(汗!)

12日働いて、あと1日の印紙が足りなくなた場合、
仕方なく業者から2万円で印紙を買って、
貼ってもらう事もあった。



さやこ
さやこ

何?それって犯罪でしょう?

セイブン
セイブン

まぁ、、その当時は犯罪の意識がなかった(汗!)

言い訳ではないが稀にある。





普通に手帳は、闇印紙でも同じであるが、
最初に2ヶ月分26回の印紙を確保してから、
次の月で支給される。

支給されている月も、
働きながら13日分の印紙を貼ることで、
次の月も仕事にあぶれた場合に支給されるんだ。




セイブン
セイブン

記憶が定かで無いのはご了承くださいね。




飯場(労働者の働いている宿)によっては、
手帳を認めている飯場もあると言う。
20日間近く働いてもらって、
残りの時間をボーナス代わりに手帳を使用する。




セイブン
セイブン

そんな飯場なら闇印紙を買う必要もないので良いシステムとも言える。
シッカリと働いて残り少ない時間をあぶれ手帳を使用する。

さやこ
さやこ

本当はこれが健全な姿なのかしら?よく分からないけど?、、



これは推測なんだけど
大半の飯場は手帳を発行させたくない感じだった。

何故なら労働者が飯場に入って、
2ヶ月から3ヶ月間働いてくれたと思ったら、
支給で貰える頃には逃げてしまうので
業者は手帳を認めたくないと思えた。



セイブン
セイブン

これはあくまでも「私」の推測です。



一時期はタクシーの運転や料理人、水商売の女子、
バーテンダーなどが闇手帳を利用していた時期があって、

労働者に関係なさそうな人も職安で
闇印紙で日当をもらっていて凄い人で賑わっていた。






今思えば犯罪行為だけど、
労働者がいなければ嫌な仕事をする人がいなくなる。




セイブン
セイブン

日本のインフラ整備の貢献者は、
名もない日雇い労働者の功績は絶対的に大きいと思うよ。

さやこ
さやこ

歌にもあるよね。
ビルや道路も俺たちがいなければ出来やしない。

手帳をもらえるのは、
免許証や身分を証明できるのが条件(と思っていたが?)
労働者は何らかの事情を抱えているので、
手帳が貰えない人夫もいたりする。



ある時に名古屋市が一切摘発をおこなった。

犯罪として捕まった人はいなかったと思うが、
知らないで闇手帳を出したらアウトを食らった人がいて、
説教された人も多かったそうな。

その日を堺に笹島から人がいなくなっていた。

大概の年配者は働けずにホームレス生活に陥り、
名古屋市の周辺は一時期にホームレスだらけになっていた。





因みに私の場合職安で手帳を提出したら、
一旦は受理を拒否されたのだが、
確実に13日働いていた事実が証明されてから、
撤回され支給された経験がある。

因みに闇手帳での印紙の料金は、
13日分で2万円で、
支給額は12万円のような気がするが記憶は定かではない。

闇手帳を利用する人は他の仕事の合間のような気がした、
完全に闇手帳では生活が出来ないと言える。




セイブン
セイブン

だから泊まる宿舎は、
相当安い賃金で無いと暮らせなかったと思う。


職安の近くに名古屋市の直営でなく委託御者と思ったが、
安い宿舎があった。

今では用途が違うが笹島寮と言う。
その宿舎は50歳以上だと、

月に8千円以下の家賃で泊まれたが、

50歳以下だと宿舎は1ヶ月間しか利用できなかった。




セイブン
セイブン

私は50歳以下だたので1ヶ月しか泊まれなかった。

だから普通に仕事を頑張らないと暮らせなかった。




50歳になったので泊まりに行ったらシステムが違って、
簡単に入る事ができなかった。

システムがホームレス支援施設になっていた。

システムが変わったので役所で手続きしてくださいと言われた。

宿舎代を節約するためだったのだが泊まらないで、
少し高いがサウナー生活とした。




さやこ
さやこ

今でも名古屋駅周辺には当時の安い宿舎の跡があるね。



殆ど潰れたようで閉まっていた。

今では生活保護のための一時預かり施設となっていると聞いた。

このコロナ禍の時代に路頭に迷う人が増えて、
中村区役所に相談しに行くと、
2週間の短い日数であるが宿舎を紹介されると思う。



セイブン
セイブン

私が露店でバイトをしている時に、
世話になった事がある。





宿舎はタダで提供され昼と夜に簡単な食事が出て、
少しのタバコ代が出た記憶がある。

理由があれば2週間の延長が認められた。




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業者と日雇い労働者とのやり取り。









日雇い労働者を斡旋する業者は笹島の道路で待機している。

朝の5時6時には業者の車が結構並んでいる、

職安の前では朝市が開かれて、
労働者が使う道具とか建設器具とか作業服と、
色々変わったのも売っていて、
労働者以外にも一般の人も訪れるので結構賑わっていた。



セイブン
セイブン

日雇い労働者もイイ働き口を確保するためにも朝から忙しい。



御者は小中大のマイクロバスなどで待機していて、
必要な数の人夫を確保したら出発である。

人夫も朝市をノンビリと見る余裕はないのである。

日雇いの仕事はキツいのが多いが、
慣れると面白い作業もある。

嫌なのは、
仕事中に親方や責任者などの怒鳴り声である。
何だかんだと、うるさいのがいる。



さやこ
さやこ

結構メンタルが弱いと効いてしまいそう。



解体業やトビ職連中は口が悪いのと人を徹底的にコキ使う。

30代近くの職長などがいると、
その日は仕事が終わるまで我慢するしか無い。

日雇が良いのは嫌な連中を避けられることであり、
普通の会社では嫌なヤツがいても、

避けられずに顔を会わせなければならない。

ストレスが溜まり嫌になることがある。


セイブン
セイブン

仕事中には少しでも気を抜いていると、
「おい!こら!ボケッと立っているんじゃない!」
と叫き散らされる。


さやこ
さやこ

うるさいのがいると仕事自体疲れるよね。



成るべく鳶職専門の業者の方には近寄らないことにしているが、
一般の土木作業員を抱えている業者は
鳶職の人間も抱えている。

人気の無い業者は人夫の確保が遅れ気味で、
人気のある業者の車の前には自然と人夫が並んでいる。



セイブン
セイブン

上手く良い業者に入る事が出来ればその日は何となくラッキーと思える。




良い業者とは人それぞれ考え方は違うと思うが、
一般に朝昼のメシが付いて何となく食えるレベルとか、
朝イチで2~3千円のタバコ代や、お茶代など先に渡してくれる業者。

うるさくない現場!



さやこ
さやこ

労働者もワガママが多いですね。



大概日当は1万円から1万3千くらいが相場である。


セイブン
セイブン

人気がある業種に港湾関係の仕事もあり、
業者が来る前から決まった場所で待機しているよ。





安全靴を揃えていない人も多いので、
安全靴の貸し出しをしてくれる業者も多い。

慣れている人夫は事前に作業服のままである。

人夫と業者のやり取りは簡単で、
運転手にイイですか?と声をかける。

初回の場合は運転者も少し顔など見て判断するし、
人夫も労働条件などを聞くのであるが、
大概に何もなければ運転手は慣れた手付きで、
乗れの合図を出す。



さやこ
さやこ

空いてる席に座り車が出発するまで待機ですね。




マイクロバスの中は狭く息苦しい。
この息苦しい空気を何度となく経験しているが、
やはり独特な雰囲気で何となく威圧感さえ感じる時がある。

車の中に顔見知りの人がいれば何かしら喋るのであるが、
知らない者たちだと車の中は静かである。

車の外ではサラリーマンなど、
朝方までに呑んでいる連中で騒がしいが、
車の中は静けさで異様な雰囲気に襲われる。

車の中ではタバコを吸う回数も増える。



セイブン
セイブン

暗い車の中で、
誰かがタバコを吸う「カチャッ」と言うライターの音と光が、
何となくある種の緊張感が漂うよ。




不思議なことであるが、
朝日が出る頃になると他の人の顔も見えたりして、
何となく緊張感はなくなり、



さやこ
さやこ

今日も1日仕事に「ありつけた事」にホッとするんだね。



他の人も不安から安心感に変わり言葉数が多くなる。


思い詰めた緊張感が薄れて、
「あ~でも無いとか、こ~でも無い」と、
世間話しに花が咲くことがる。

仕事に行く前の戦士の武者震いとも言える。

各々に朝に家を出て働き口の車までに何とか辿り着く、
大概の人間は
何かしら不安を抱えながらこの車までに辿り着いている。



セイブン
セイブン

緊張感も解れる瞬間でもある。




車から降りて飯場の責任者から2~3千円の前借りをして、
安全靴の確保と安全ベルトなどの確保。

そして、
朝飯が出る場合は食べる。

弁当が出る飯場なら弁当を確保して、
各々現場の車に乗って作業場に向かう。

それが大概の日雇い人夫の段取りで、
仕事を終えて残りの金を貰って家路につく。

サウナー辺りで一杯呑んで、
明日に備えてサウナーなどで寝ては、
金があればそのままサウナー三昧とギャンブル三昧となる。



日雇い人夫の暮らし







労働者の仕事は大概に肉体労働で大変と言えば大変であるが、
慣れると案外楽しいこともある。

金が無い時に働き、休みたい時に休む、
その日暮らしが結構に楽しい事もある。

大概にギャンブル好きが多く、
稼いだ金で近くのサウナーやインターネットカフェで時間を潰す。

朝から酒でも飲んでギャンブル三昧の生活も良い。



セイブン
セイブン

気ままな人生と言えば気ままな人生と言える。



しかし、
辛い時もあるし最悪の場合には金も無く仕事も暇になると、
冬場に外で眠るハメに陥りホームレスにもなりうる。

大概に仕事が途切れて暇になるのは4月頃であった。
4月に苦しい目にあっている。

その前の3月は忙しいので4月に備えて金を残しておく。
考えれば楽である。

自由を得るためには犠牲を伴うのも仕方がないことであるが、
日払い労働者も案外に捨てたものでもない。



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