名古屋放浪日記(風俗店で働いてみたパート2)

自伝的小説

この物語は主人公が名古屋市の日雇いや派遣会社での仕事を、
転々としながらその日暮らしの生活を描いている自伝的小説です。

名古屋放浪日記(風俗店で働いてみたパート2)






店は相変わらず忙しかった。
ここの店は地下1階にあった。

待合室など特別に設けられているわけでない、
階段の通路の左側の段にお客は座り順番を待っていた。

階段の広さは2人の人間が、すれ違えるくらいの狭さである。

忙しい時には階段は人でいっぱいになり、
外で待つことになる。



セイブン
セイブン

今日も忙しい日であった。



大阪などからの出張組が多く外での指名受付なども忙しく、
特に店の中はテンヤワンヤの大忙しさだった。

余りにも忙しく、
女子たちも指名客の合間を縫っては飛び跳ねっていた。




店内に財布を忘れる者もおり、
店を出て途中で気がついたのか?

慌てて店に、
財布わ!財布わ!と戻ってきた。

財布はテーブルの上におき忘れていたので、
バーテンダーがテーブルを片付けている時に、
気がつき確保していたのである。



さやこ
さやこ

無事に持ち主に戻ってきたので、ひと安心となったね、


セイブン
セイブン

お客も店内がパニック状態のように忙しかったので、
訳が分からずに脱いだパンツも忘れて店から出ていく有様であった。

さやこ
さやこ

へぇ~パンツを忘れるお客さんもいるの?

女子が慌てて出入り口の扉を開けて、
右手にパンツを摘んで、

大きな声で「お客さん、お客さんパンツを忘れていますよ!」と、

大声で叫んではいたが、
客は大慌てで店を出て行ったので戻っては来なかった。

一応ゴミ箱に捨てるわけには行かずにパンツ預かり品となる。





セイブン
セイブン

私の場合すでにバーテンダーBからAに格上げとなっていたので、
外の客の接待係となっていたのである。

さやこ
さやこ

へぇ~凄い出世したんだ!

セイブン
セイブン

出世ほどではないが、案外この仕事はハードで辞める人が多いんだ。
暫くしてバーテンダーBからAに昇格です。



接待係にも詳細な決まり事があって、
決して自分から客の体に触れてはならない決まりがある。


つまり、
客引き行為の防止である。


店の外の歩道での話しあいは避けて、
なるべく店の中で話しをするように指導された。


色々と風俗は警察の絡みもあり、
取り締まりの対処となるので、
そこら辺は気をつけての営業であった。



さやこ
さやこ

風俗店は厳しんだ、


後は余談であるが、
店の前で客を待つときは和かな顔でいるようにと支持される。

四角四面の顔ではダメなので和かな顔でいなさいと、






セイブン
セイブン

言われてもね、、、



肉体労働者の私には大概に、
「への字に」なって仕事をしている。


さやこ
さやこ

顔面トレーニングをしないとネ、モテるための努力ですよ、


和かな顔にするにはトレーニングも必要だなぁ、
鏡の前で何度も和かな顔を作っている自分がいた。

何となく自分の行為がキモいと思ったことがあった。



さやこ
さやこ

子供は自然と可愛けどね、








店の前で立っていて慣れてくると、
入りそうな客も薄々感じ取れるのである。

イキナリ入る人もいれば、
1~2回店の周りを素通りして、
様子を伺いながら店に入る人もいる。

人間模様である。



水商売の仕事は肉体労働者よりモテた。





店の前に立っていると色々な人に声も掛けら仲良くなる時がある。




セイブン
セイブン

今は時効になっている話であるが、




店の前の歩道に、少し斜めに公衆電話があった。


ちなみに、
その当時は携帯電話が普及していない時代で、
公衆電話が主役であった。


巷ではテレクラが流行った時代である。


テレフォンクラブとは電話を通して女性との会話を斡旋する店の事で、3畳くらいの小さの部屋に電話が設置されて、
電話がかかったら素早く電話をとって会話するシステムである。

当時は女子高生などもイタズラ感覚で利用していたりで私も何度か利用した経験がある。
特に東京の新宿にいた時のテレクラは鳴りっぱなしの状態であった。
大概水商売の人間が多く、
外で会いたいと誘うが殆ど水商売の誘いであったり、オカマであったり
「目当ての素人の女子」は中々来なかった。



話によると素人と外で逢って何々したと言う話も結構あった。
それが人気の秘密でもある。









学校帰りに2人の高校生が何やら訳ありで電話をしていて、


偶然にも私と目があっては赤ら顔になりながら、
公衆電話でウロウロしていたのである。


いつの間にか何気ない話をする関係にもなっていた。
学校帰りにはそこの歩道を通るので、
顔を会わす度に隣の空き地でたわいのない話をしていた。


当時は2人とも高校二年生で1人は小柄で活発そうで、
もう1人は大人びいていた。




セイブン
セイブン

何とか1人の子とは休みの日とか都合の良い日に度々会う事になった。


さやこ
さやこ

18歳未満だと淫行になるね、今だと直ぐに犯罪で捕まる!


当時は淫行とかが、何となく犯罪の暗い感情はなかったのである。



さやこ
さやこ

犯罪意識が薄かったのか?


官能小説ではないので些細なことは省略するが、

この店には従業員が寝泊まりするマンションの寮があって、
私もココのマンションで寝泊まりしていた。

店が始まる12時前までは、

寮の中には誰もいないので、
マンションの寮の中でのデートが多かった。






何度も言うが肉体労働者ではモテなかったが、
水商売の従業員になってから、


結構モテた!



さやこ
さやこ

完全に犯罪者ですね!



店の前に立っていると、
水商売に興味がある女子などが結構いて、
店の様子を知りたくて何人も来るのである。

大概の女子は店の仕事内容は知っているが、
覚悟を決められない女子もいて、

意を決したかのように、
仕事の内容を聞きにくる女子もいる。




セイブン
セイブン

後から面接に来た女子から聞いた話であるが、
私のような、おっちゃんの方が若い人より相談しやすいと言われた。



問い合わせや相談はかなり来た。

難しそうな顔でいかにも人徳のフリして、
隣の空き地で話を聞き仲良しになる。






さやこ
さやこ

嫌な性格ですね、公務員なら公務員職権濫用罪で即に逮捕ですね、(苦笑!)


大概に質問は決まっていて、
仕事の内容や給料などの話がオモである。


セイブン
セイブン

こちらとしては親心の気持ちで、
ヤめた方が良いとアドバイスを出すが、




さやこ
さやこ

それでも金銭的に困っているから、

店長に会わせてくれと頼み込まれるのね、





普通は求人雑誌の募集を見て、
本店に面接にいくのが大概のスタイルであるが、

直接に店に来る女子もいる。

その場合は地下にいる店長のところに案内する
案内した女子が中々戻ってこないので心配になる事もある。






セイブン
セイブン

疑いたくないが店長が女子の「味見」でも、
しているのかと思う時がある。



さやこ
さやこ

そん事ないと思うわ、店長は何十年も水商売で働いているから、
下手なことしたら自分に跳ね返ると知っているから、
普通に面接をシているだけと思うわ、









2時間くらいして女子が地下から上がってくる。
そして挨拶を交わして帰っていく。

その後に店長が私のもとに来るのであるが、
そんな時の店長は何となく機嫌の良さげな顔になる。


疑いたくはないが???




セイブン
セイブン

多分に女子の雇用採用が決まって純粋に喜んでいると、




信じる!




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